小児病理研究会総務幹事挨拶 令和6年10月4日
総務幹事 松岡健太郎(東京都立小児総合医療センター 病理診断科)
記録的な猛暑もようやく峠を越え、心地よい秋風が吹き始めた頃に、石川県能登地方では大地震に続き大水害が発生してしまいました。1年のうちに2度も被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
さて、2024年9月7日(土)、札幌医科大学記念ホールにて、第44回日本小児病理研究会学術集会が、北海道立子ども総合医療・療育センター検査部病理診断科木村幸子先生のご尽力により盛況のうちで開催されました。
今回の学術集会では、「発生と小児病理(幹細胞性・多分化能から先天性形成異常まで)」をテーマに、特別講演2題として津田 真寿美先生 (北海道大学大学院医学研究院 腫瘍病理学教室 同 化学反応創成研究拠点(WPI-ICReDD)による「ハイドロゲルによる腫瘍幹細胞の創出と解析ー病理学と異分野融合 研究による展開」および吉藤 和久先生 (北海道立子ども総合医療・療育センター 脳神経外科)による「発生に基づいた二分脊椎の病態」、主題講演4題「嚢胞性肺疾患ガイドラインと新規疾患概念への対応 」松岡 健太郎(東京都立小児総合医療センター 病理診断科) 、「早産児・満期産児の臍帯由来のヒト Muse 細胞はブレオマイシンに よるラット肺障害モデルに治療効果を示す 吉田 牧子(兵庫県立こども病院 病理診断科)、「Fetus in fetu の 1 例 」佐藤 勇一郎(宮崎大学医学部病理学講座腫瘍形態病態学分野、 同 附属病院病理診断科)、「当院で経験したトリソミー剖検 25 例の臨床病理学的検討 」坂井田 美穂(大阪市立総合医療センター 病理診断科)および一般演題2題「肝生検が診断に有用であった糖原病Ⅳ型(Andersen 病)の 1 例」石川 亮(香川大学医学部附属病院 病理診断科) 、「嚢胞性骨腫瘍性病変の分子病理学的検索」田中 水緒(神奈川県立こども医療センター 病理診断科)が発表されました。いずれも最先端の研究成果であり、参加者全員にとって大変有益な会となりました。
また、米国デラウェア州Nemours Children's Hospitalの前田綾香先生には要望講演『アメリカの卒後教育,私の経験から』と題し、米国の小児病理の現状について貴重なご講演をいただき、若手会員の留学意欲を高めるきっかけとなったと思います。また、前日に開催された小児腫瘍症例検討委員会に続き、札幌オリンピックミュージアムにて合同懇親会が催され、会員同士の親睦を深める良い機会となりました。 小児腫瘍症例検討会と合わせ、内容の濃い充実した二日間でした。
懇親会での集合写真を先日、木村先生よりいただきましたが、若手の先生が増えて心強いことです。希少がん診断のための病理医育成事業を通じても、小児病理に接する機会が増えているせいもあるかもしれません。
近年の少子化は小児病理医にとっては経験できる症例の減少となってその力量向上の大きな妨げとなっていますが、本研究会での情報交換を通じて全体的なレベルの底上げを図っていく必要があると考えます。
次回皆さんとお会いするのは、仙台での日本病理学会総会コンパニオンミーティングになると思います。また、来年の学術集会は9月8日、9日に宮崎大学医学部病理学講座腫瘍形態病態学分野、 同 附属病院病理診断科 佐藤勇一郎先生のお世話で宮崎市にて小児病理研究会ならびに小児腫瘍症例検討会が開催されます。会員の皆様におかれましては、奮っての演題応募、ご参加を期待します。
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小児病理研究会総務幹事挨拶 令和6年4月12日
総務幹事 松岡健太郎(東京都立小児総合医療センター 病理診断科)
日本小児病理研究会会員の皆様におかれましては、益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
3月28、29,30日に名古屋国際会議場で開催された病理学会総会では、田中水緒、佐藤勇一郎両学術担当幹事のお世話で、 『COVID-19と小児周産期病理 COVID-19 and Pediatric/ Perinatal Pathology』と題したコンパニオンミーティングを無事開催することができました。大変充実した内容で、活発なディスカッションも行われ参加者一同大変有意義な会となりました。
一般演題では、オーラルセッション、ポスターセッションとも小児病理研究会会員以外の先生方からの発表もあって、ここでも活発な討議が行われ、小児病理の必要性を感じる場面も少なからずありました。
さて、ホームページ学術集会のページでもお知らせしておりますが、第44回日本小児病理研究会学術集会が北海道立子ども総合医療・療育センター木村幸子先生のお世話で9月7日に札幌医科大学記念ホールにて開催さます。前日には、同所で小児腫瘍症例検討会も開催されますので、皆様ふるってのご参加をお待ち申し上げます。
7月6日(土)には第142回関東東海地区病理カンファレンスをオンライン形式で行いますので、会員の皆様におかれましてはご参加のほどお待ちしております。
小児病理研究会では小児病理に興味のある病理医・研究者による情報交換、情報発信を行っております。研究会への要望がありましたらご連絡ください。
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小児病理研究会総務幹事挨拶 令和6年1月19日
総務幹事 松岡健太郎(東京都立小児総合医療センター 病理診断科)
先日、この欄でお知らせした、第113回日本病理学会総会で小児病理研究会と小児腫瘍組織分類小委員会との共催で行う予定でしたコンパニオンミーティングが残念ながら演者の先生のご都合で中止となりましたことをお知らせします。
小児病理研究会主催のコンパニオンミーティングは28日(木)の『COVID-19と小児周産期病理 COVID-19 and Pediatric/ Perinatal Pathology』のみとなります。
小児病理領域におけるCOVID-19についてディスカッションするもので、大変興味深いテーマとなります。会員の皆様はもちろん、病理学会員の方で興味のある方はぜひご参加ください。
いよいよ本格的な寒さがやってまいりました。能登半島地震で被災された方にお見舞いを申し上げるとともに、会員各位におかれましては体調を崩すことのないようお気をつけください。
では、3月に名古屋でお会いできることを楽しみにしております。
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小児病理研究会総務幹事挨拶 令和6年1月5日
総務幹事 松岡健太郎(東京都立小児総合医療センター 病理診断科)
新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
はじめに、元旦に起こった能登半島地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
昨年新型コロナウイルス感染症が5類となったこともあり、9月8、9日に中澤温子先生のお世話で埼玉県立小児医療センターにて対面(ハイブリッド)形式での学術集会を久しぶりに開催することができました。やはり、面と向かってのディスカッションは想像以上に楽しく、かつ有益なものだと感じられました。今年は、9月6、7日に北海道立子ども総合医療・療育センター(こどもっくる)病理診断科の木村幸子先生のお世話で学術集会ならびに小児腫瘍症例検討会が開催される予定で、今からとても楽しみです。
さて、その前に、第113回日本病理学会総会が3月28日より名古屋国際会議場にて開催されます。
今回、小児病理研究会では28日(木)、29日(金)にコンパニオンミーティングを開催することとなりました。このうちの一つは28日に小児病理研究会主催による『COVID-19と小児周産期病理 COVID-19 and Pediatric/ Perinatal Pathology』と題し、小児病理領域におけるCOVID-19についてディスカッションします。
もう一つは29日に小児腫瘍組織分類小委員会との共催で『ロスアンゼルス小児病院からの報告』として、ロサンゼルス小児病院病理のMikako Warren先生に米国における小児病理事情についてお話いただきます。いずれも大変興味深いテーマで会員の皆様はもちろん、病理学会員の方で興味のある方はぜひご参加ください。
寒い季節となりましたが、会員各位におかれましては体調を崩すことのないようお気をつけください。
では、3月に名古屋でお会いできることを楽しみにしております。
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小児病理研究会総務幹事挨拶 令和5年10月6日
総務幹事 松岡健太郎(東京都立小児総合医療センター 病理診断科)
日本小児病理研究会会員の皆様におかれましては、益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
今年度より2年間、引き続き総務幹事を務めさせていただく、東京都立小児総合医療センター病理診断科の松岡健太郎です。
これまで、新型コロナウイルス感染症のため、思うような学術活動を行うことができないでおりましたが、同感染症の5類移行を機に対面でのディスカッションが可能となったことは大きな変化であります。
その、第1弾として、去る9月8、9日に、第43回学術集会が埼玉こども医療センター中澤温子先生のお世話で、同所にてハイブリッド形式にて開催されました。診断に生かすゲノム医療というテーマで、大変充実した内容で参加者一同大変有意義なものとなりました。
これに先立っては、小児病理研究会の地方会といえる第83回関西小児病理研究会(6月17日)、第140回関東・東海・東北小児病理研究会(7月1日)がいずれもWEB形式で開催され、それぞれ多くの参加者を得て有意義な発表ならびにディスカッションが行われました。今後は、地方会はWEB形式で、学術集会は対面でという方向で行われていくことになるでしょう。
また、おりしも日本病理学会学術集会の演題募集中でもありますので、会員の皆様方におかれましては、是非小児周産期をテーマとした演題のご発表をお願いいたします。
小児病理研究会で企画してほしいテーマがありましたら、Contact、よりご意見をいただければ幸いです。
皆様のご意見をいただき、わが国の小児周産期病理の発展に貢献したいと考えております。
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小児病理研究会総務幹事挨拶 令和4年5月12日
総務幹事 松岡健太郎(東京都立小児総合医療センター 病理診断科)
日本小児病理研究会会員の皆様におかれましては、益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
さて、去る4月14~16日に、第111回日本病理学会総会が神戸大学大学院医学研究科病理学講座 横崎宏先生のお世話で、神戸コンベンションセンターにて開催されました。日本小児病理研究会では4月14日にコンパニオンミーティング「Hirschsprung 病およびHirschsprung病類縁疾患の臨床と病理」を、学術担当幹事である田中水緒先生(神奈川県立こども医療センター 病理診断科)、岩淵英人先生(静岡県立こども病院 病理診断科)のお世話で開催しました。福島裕子先生(大阪市立十三市民病院 病理診断科) 、田中水緒先生 の進行のもと、
1.Hirschsprung病および類縁疾患の臨床 田口智章先生 (福岡医療短期大学学長・九州大学名誉教授)
2.Hirschsprung病の病理 –病理診断の実際– 義岡孝子先生 (国立成育医療研究センター病理診断部 統括部長)
3.Hirschsprung病類縁疾患の病理(分類、病理診断) 吉丸耕一朗先生(九州大学病院小児外科・成育外科・小腸移植外科 講師)
4.Hirschsprung病類縁疾患の神経節の経年的変化 市川 千宙 先生 (大阪母子医療センター病理診断科診療主任、 加古川中央市民病院病理診断科医長)
の4演題が発表されました。いずれも大変興味深い内容で、参加者一同大いに資するところがありました。演者の先生方にはこの場をお借りして深謝申し上げます。
このほか小児病理関係では、臓器系統別ワークショップ「乳幼児期における非腫瘍性疾患の病理~先天性疾患を中心として~」 がありました。
井上健先生(大阪市立総合医療センター病理診断科)、吉田牧子先生(兵庫県立こども病院病理診断科)の進行のもと、
1.先天性心疾患の病理 小木曽嘉文先生(長野県立こども病院臨床検査科)
2.乳幼児期みられる嚢胞形成性腎疾患の概要 松岡健太郎先生
3.小児の性腺病理-性分化疾患を中心に― 松岡圭子先生(大阪急性期・総合医療センター病理診断科)
4.脈管奇形の分類―静脈奇形・リンパ管奇形を中心に― 堀由美子先生(国立病院機構大阪医療センター臨床検査科)
5.先天性高インスリン血症の病理 福島裕子先生(大阪市立十三市民病院病理診断科)
が発表されました。いずれも質の高い素晴らしい内容でした。一般演題、口演にも興味深い演題が発表されていました。
コロナ禍の折ではありましたが、想像以上に多くの会場参加者のある活気の戻った学会で、小児周産期病理関連の発表も充実したものとなったのは何よりでした。惜しむらくは口演発表が1セッションと少なかったため、次の第112回総会では奮ってより多くの発表をお願いいたします。
来る9月3日には小木曽嘉文先生のお世話で、第42回日本小児病理研究会学術集会がオンラインにて開催されます。主題は「小児病理と社会のかかわり」です。大変興味深い講演を聞くことが出来ると思います。会員の皆様はもとより、小児周産期病理に興味がある方はぜひご参集いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。